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【終末医療で延命治療を望まなければ事前指示書は必須】

自分も親も終末医療をどのようにするか、私たち世代には差し迫った話題です。誰でも寝たきり老人になりたくないし、寝たきり老人の世話などしたくないと思っています。しかし、現実は200万人の寝たきり老人がいます。医学が発達したお陰で、人工呼吸器や胃ろうで命をつないでいる人は大勢います。この人たちは幸せなのでしょうか。生きていて楽しいのでしょうか。生きがいはあるのでしょうか。

寝たきりが嫌なら元気なうちに意思を明確にしておく

自分で望んでいることなのでしょうか。家族も望んでいることなのでしょうか。私が患者で意思を示せるのなら、人工呼吸器など外して欲しいと伝えます。でも、病気が少しずつ悪化したのではなく、突然そのような状態に陥ったら、意思を示すことができなければ、医師も看護師も当然のように延命します。

このようなことを防ぐために、生きているうちに、元気なうちに自分の意思を明確に書面で残すということも行われるようになってきました。それを「事前指示書」と言い、今では病院や行政でひな形を作ってダウンロードできるようにしているところもあります。

事前指示書とは

事前指示書に明示されるべきことは2つあり、それは「終末期の自身の意思」と「代理人の指定」です。自身の終末期にはどういう医療を受けて、どのようい過ごしたいかを明確にすることが一つです。それから、2点目は自身の終末期に意思を明確に示せなくなった場合、代弁する代理人を指定します。

愛知県半田市の終末期医療に関する事前指示書

様式をダウンロードできます。全部で4ページあり、後半の2ページは「私の事前指示書」と題した指示書になります。記入する内容は、第1判断者と第2判断者の氏名、住所、電話です。そして、延命治療を受けたいか受けたくないかを選択して、チェックを入れます。その他希望することがあれば書き込みます。

最後のページには項目がいくつかり、チェックを入れます。例えば、「私は苦痛のある状態を望みません。苦痛を和らげるための十分な処置や投薬をしてください。」とあります。希望する場合は枠にチェックを入れます。

他の項目として、「可能であれば、自宅で療養し、自宅で死ぬことを望みます。それから、私の知人、友人などに私が病気であることを伝え、私の元に訪れるよう頼んでください。」などがあります。

国立長寿医療研究センターの私の医療に対する希望(終末期になったとき)

基本的な希望の項目として、痛みや苦痛を抑えたいか自然のままでいたいか、終末期を迎える場所は病院か自宅か施設、病状に応じてかなどがあり、希望するところにチェックを入れます。

終末期になったときの希望の項目として、心臓マッサージなどの心肺蘇生、延命のための人工呼吸器、抗生物質の強力な使用、胃ろうによる栄養補給、鼻チューブによる栄養補給、点滴による水分の補給などがあります。これらの項目について、「して欲しい」か「して欲しくない」かを決めてチェックを入れます。

他に主治医が相談すべき人はどなたですかという質問があるなど、病院なので入院患者を対象としたものになっています。

患者も医師も願わない延命治療が減らないので事前指示書は必須

ある調査では、胃ろうによる栄養補給を望むかという質問に対し、85.4%の人が「してほしくない」を選び、鼻チューブによる栄養補給を「してほしくない」が86.9%でした。

同じ質問を医療者にもしました。医師も看護師も患者と同様に大半が「してほしくない」を選びました。なのに、延命至上主義がはびこっています。ある家族が医師に点滴など止めて欲しいと希望したら、「餓死させる気か」と怒られたそうです。人工栄養で延命するのは当然だと考えている医師や看護師はまだまだ多いようです。

日本の医療業界の現状をみると、やはりきちんとした書面で患者の意思を示さないと、寝たきり老人になるリスクはあるようです。

親に作って欲しいのですが、まず自分が作ろうと半田市の事前指示書を印刷して作成しました。判断者2名の氏名、住所、電話を記入し、「私は延命治療を受けたくない」にチェックを入れました。2ページ目の項目は希望するものをいくつか選び、チェックを入れ、最後に作成の日付と署名、押印して終了です。とても簡単でした。さて、これをいつ親に見せて作成を促すかです。